死は心の拠り所。メキシコの信仰サンタ・ムエルテ(死の聖人)

ISILやらウクライナ情勢で日本ではあまり報道されないメキシコ情勢。

 

以前もメキシコ麻薬戦争のことについて触れたが、メキシコの国内情勢はものすごく不安定だ。メキシコ麻薬戦争は今でも続いており、2月28日には麻薬カルテル「テンプル騎士団」の最高幹部セルバンド・ゴメス容疑者(49)が逮捕された。(参考元)

スポンサードリンク



 

しかし、これで治安がよくなるかとそうではないようだ。

 

昨年の11月7日メキシコ南部で教育大学の学生が43人行方不明となった事件で、犯罪組織のメンバーが逮捕された。彼らは、反汚職デモに参加した学生を市長の指示によって殺害したという。

 

殺伐としたメキシコ社会。メキシコ国民が救いを求めているのは、「サンタ・ムエルテ(死の聖人)」だ。

 
santa muerte
santa muerte / francismckee

死が身近なメキシコ

富めるもの、貧しきもの、善人、悪人。誰にでも平等に死が訪れる

メキシコ人が信仰している宗教はなんだろうか?

 

メキシコはスペインに征服された歴史を持ち、スペイン人たちはメキシコにカトリックを持ち込んだ。よって、現代ではメキシコのほとんどの国民はカトリックを信仰しているといわれているが、スペイン人が征服する前まで、アステカ帝国を築いていた。

 

また、コロンブスがアメリカ大陸を発見する前には、様々な文明があった。よって、土着信仰というものもあり信仰は止める事はできないもの。だから、メキシコ人たちはスペイン人のカトリックの中に、従来の信仰を取り入れた。

 

よって、メキシコの信仰は従来の信仰とスペイン人が持ち込んだカトリックが融合したもの。そして、メキシコは独特の信仰から「サンタ・ムエルテ(死の聖人)」が生まれた。

 

 

「サンタ・ムエルテ」を死の聖人と書いているが、女性である。死の聖母とか死の聖女という意味のほうが正しい気がする。ムエルテは「死」を意味し、「サンタ」は聖女を表す言葉だからだ。カトリックの聖母信仰と土着信仰が結びついた気がする。

 

「サンタ・ムエルテ」の信仰は昔からあったが、20世紀中ごろ記録として表れ始めたそうだ。「サンタ・ムエルテ」信仰はメキシコのカトリック教会では嫌われているようだ。2012年に「サンタ・ムエルテ」に生き血を捧げるため、少年2人と女性を1人を殺害したとして、サンタ・ムエルテを信仰している組織の幹部たちが逮捕された。

 

それ以前にカトリック教会は死を信仰の対象にすることを不快に思っていたようだが、現代メキシコで「サンタ・ムエルテ」信仰が広まった背景には、やはりメキシコが社会的に不安定というものがある。メキシコは困難続きの国だ。干ばつやら新型インフルエンザの流行、経済危機、そして麻薬カルテルによる身の毛のよだつ悲惨な暴力が、日常生活に溢れている。

 

「サンタ・ムエルテ」の姿は、骸骨姿に大きな釜。死神そのものだが、鮮やかな長衣を身に付けている。信者達は「サンタ・ムエルテ」の像を華やかに飾りつける。これは現代メキシコの姿そのまま象徴しているようだ。

 

 

「サンタ・ムエルテ」は道徳や倫理を求めない。犯罪者にもご利益を与えてくれる。だから、「サンタ・ムエルテ」の信仰は犯罪者だけではなく、一般市民にも指示されている。

 

一応メキシコ政府は「サンタ・ムエルテ」信仰を非合法化したが、サンタ・ムエルテの信者は増えているように見える。死を崇める、善人だけではなく万人に分け隔てなく利益を与えてくれる。それは「死」そのものなのかも知れない。死は誰にでも平等に訪れるもの。

 

 

参考元
honky tonk manの黙示録 サンタムエルテというカルト
NATIONAL GEOGRAPHIC 麻薬聖人
ピクシブ百科事典 サンタ・ムエルテ

コメントを残す

このページの先頭へ