忘れてはならないカネミ油症事件。賠償金も終わってない!

kanemiriceoil

中国の地溝油(下水から作る食用油)が話題になっていたとき、「カネミ油症事件」のことを思い出した。

どれぐらいの人々が知っているかはわからないが、この戦後最大の食品公害「カネミ油症事件」を知ったのは多分、中学生ぐらいのときだったと思う。

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日本の4大公害病といえば「水俣病」「第2水俣病」「四日市ぜんそく」「イタイイタイ病」である。小学校で習ったことは記憶にある。

「カネミ油症事件」

教科書に載ってないので認知度が低いが中学生の時に古い報道写真集か何かでこれを知った。

 

うなじから背中にかけて黒くて細かい吹き出物が出た女性の写真と、輪が出来たロープが天井から吊り下がっていた部屋の写真が頭に焼き付いている。

解説を読むといつでも死ねるようにと、天井からロープを吊り下げていたそうだ。

 

「美容と健康にいい」そういう宣伝文句は古今構わず身の回りにたくさんある。それに人体に有害なものが入っていたら?

 

1968年その宣伝文句を信じ、積極的に取り入れた人たちには吹き出物や内臓疾患、がんなどの多岐にわたる健康被害が表れ、黒い赤ん坊が生まれた。

原因は福岡県北九州市小倉区に本社を置くカネミ倉庫が製造した食用の米ぬか油「カネミライスオイル」にダイオキシン類が混入していたのだ。

 

福岡県を中心に1万4000人以上が被害を訴え出る。

 

このカネミ油症事件は世界初の人類史上最大のダイオキシン被害ともいわれいる。ダイオキシン類が混入したのは以下の通りである

「カネミライスオイル」の製造過程で脱臭にために熱媒体として使用したPCB(ポリ塩化ビフェニル)が
配管作業ミスで配管部から漏れて混入し、これが加熱されてダイオキシンに変化した
参考元wikipedia

 

1969年、カネミ倉庫・PCBを製造した鐘淵化学工業・国の3者を相手取って賠償請求訴訟を起こした。

原告は1985年までにカネミ倉庫だけでなく、国にも2度勝訴。しかし、翌年の全国統一民事訴訟第二陣の二審判決で流れは変わり、国に逆転敗訴。

その後最高裁も原告敗訴の見通しを示し、原告は国の訴えを取り下げることになった。

先に受け取った賠償金の仮払金を返還する義務が生じ、生活費や医療費につぎ込んでいた原告たちの中には返還に応じられず、自殺者も出るに至った。

 

あの写真のロープはこのためのものだったのかもしれない。

 

カネカ(カネミ倉庫)は仮払金の返還を請求する権利があったが、被害者たちがカネカに責任がないことを認める代償としてこの返還請求権を行使しないという内容で原告企業との和解が成立した。

 

その一方で国を相手取った賠償請求訴訟では訴えを取り下げてしまったために、国に対しての仮払い金27億円の返還しなければならなかった。

1997年に国は一斉に仮払金返還の調停を申し立てを起こし患者側に請求した。

その後返還が厳しい患者側の負担軽減が課題となっていたが、当時の自公政権は2007年に仮払い金返還を免除する特例処置法を成立させ、仮払い問題は一定の解決に向かった。

 

しかし、2008年に1987年に裁判終了後に新たに認定された認定患者がカネミ倉庫を相手取り損害賠償請求訴訟をおこし、現在も裁判が続いている。

 

本当に国に責任はないのだろうか
この事件が起こる直前、西日本で約49万羽もの鶏が大量死事件が発生した。原因は配合飼料の中にダーク油が含まれており、そのダーク油に多量のPCBが検出された。

 

このダーク油は米糠から米糠油を製造するとき脱臭工程で除かれる有臭成分であり、油かす等を再利用して作られる黒っぽい油のことで、米糠油は「カネミライスオイル」として販売され、ダーク油は配合飼料となった。

 

もちろん、両方の製造元はカネミ倉庫である。PCBの混入はダーク油だけでなく、米糠油の「カネミライスオイル」にも混入していた。
49万羽も鶏が変死しているのだから、行政はその原因を調べるわけだが、十分な調査をしなかったとも、両者同じ製造ラインで作られたことも知っていたが、農林水産省と厚生省は管轄が違うため連絡しなかったとも言われている。

両方かもしれない

国側が適切な対応をとっていれば、被害は食い止められたという意見はある。

 

国の責任逃れは40年以上たった今でも続いている。カネミ油症の被害者、油症検診を受診し患者として認定されなければ医療費の助成を受けることが出来ない。

認定されたとしても責任企業のカネミ倉庫(カネカ)からの認定時のみに見舞金が支給され、認定後の医療費が一部支給されるだけであって、国側は過去に訴えを取り下げたという理由で、直接的な公的援助はしていない。
2012年に「カネミ油症患者に関する施策の総合的推進に関する法律」が可決されたが、その内容には被害患者が望んでいる、医療費の公的な支給はない

 

ちなみにカネカは経済難を理由に支払いが凍結中だという。

 

参考元:「食卓の肖像」公式HP
九州朝日放送HP
ダーク油事件 wikipedia
カネミ油症事件 wikipedia
平成医新
INTRO

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