笑気ガスを風船に入れて吸う、風船ドラッグが流行中。

幼い頃、ヘリウムガスが入った風船を親にねだった人は多いと思う。
中には風船のヘリウムガスの代わりに、笑気ガスをいれてそれを吸う人たちがいる。これはヒッピークラック(Hippy Crack)と呼ばれる風船ドラッグで、吸うと少しの間フワフワとしたドラックに似た感覚が得られるという。

英国ではそれが社会問題となっている。

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日本では笑気ガスというよりも、笑気麻酔と言ったほうが馴染みがあるかもしれない。笑気ガスとというのは俗称で亜酸化窒素、一酸化窒素といわれる。これを患者に用いると、顔が弛緩して笑って見えるために笑気ガスと呼ばれるようになった。

 

英国では社会問題化している笑気ガスだが、このガスは縁日で使われたりするような、ちょっと面白い経緯を持っている。

ガスを吸って健康になろう。医療気体研究所を成立。

1800年ごろのヨーロッパには発見されたばかりの数種類のガスを熱心に吸収し、治療効果はあるのか確かめる医者が現れた。トーマス・ベドースという医者はガスの効能を確信していて、「医療気体研究所」を設立し、酸素や二酸化炭素の吸入が性病から麻痺、様々な病気に効く。気体療法を宣伝した。

 

今では自殺の有効な手段としてよく使われる、一酸化炭素の吸入までもが頬を紅潮させるため、健康効果があると思われていた。

 

その研究所の研究責任者がハンフリー・デービーという男だった。

笑気ガスは病気の元

笑気ガスである亜酸化窒素は元々病気の下と考えられ、動物が吸入すると即死するという話をハンフリー・デービーは試すことにした。
彼は吸入量を徐々に増やしていき、遂には一日3~4回のペースで一週間吸入し続けたが、何の悪影響は出ずそれどころか、気分が高揚し、一日に25リットルというとんでもない量を吸入するようになった。

 

ある時、デービーは親知らずのせいで歯肉に炎症が出来ていた。彼が亜酸化窒素を吸引したところ、痛みが消えた。後に外科手術に使いたいと思っていたらしいが、どういうわけか、彼は笑気ガスを実用化しようとはせず、40年以上もの間、誰もがこれを実用的な鎮痛剤として使ってこなかった。

パーティーや縁日で使っていた笑気ガスは歯医者で使われるように

園遊会で笑気ガスで酔って羽目をはずした客たちが花壇を台無しにしたり、当時、縁日では観客の中から人を呼び出し、笑気ガスを吸わせて滑稽な動作をさせて見世物にするというものがはやっていた。

 

とある歯医者が縁日で笑気ガスのショーを見ていたら、笑気ガスに酔った観客が舞台から飛び跳ね、むこうずねにひどい切り傷を負っていたのに、彼は何も感じていなかった。それから歯医者は笑気ガスに着眼した。
その歯医者の名前はホレス・ウェルズという。彼はこれで歯医者を怖がる人はいなくなると確信し、マサーセッツ総合病院で無痛抜歯のデモンストレーションを医療関係者に見せることを思い立った。

 

このデモンストレーションは早まった決断だった。
彼は笑気ガスの鎮痛効果に気がついただけであって、その無痛効果が無感覚でもなければ個人差が必要だということには気がついてなかった。そこでは抜歯につき物の悲鳴や苦悶が起きなかったが、患者はうめき声を上げ、講堂中に響き渡った。

笑気ガスの量が少なすぎたのだ。

これからわかるようにこの無痛抜歯のデモンストレーションは失敗に終わった。

今も昔も笑気ガスはパーティーで使われる

笑気ガスは吸引すると強烈な多幸感を感じるが、持続性はなく一瞬で終わる。そのため、一度に何回も吸う。アルコールや他のドラッグ等を併用する。といったことが起こり、死者まで出ているという。

 

しかも、この笑気ガスは英国で規制されていない。そして様々なものに使われている、医療用はもちろん、ケーキのクリームを滑らかにしたり。よって日本でも規制はされていない。
亜酸化窒素と検索すれば、簡単に買うことが出来る。管理人は知らないが、昔日本でも笑気ガスを吸う遊びが子どもたちの間で流行ったそうだ。

 

笑気ガスは不思議なことに、パーティーで使われ続けるのだ。

 

参考元: daily mail
世にも奇妙な人体実験の歴史 (トレヴァー・ノートン著/文藝春秋)

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