【ハムサ】イスラムと邪視【ナザール・ボンジュウ】

サウジアラビアの高名なイスラム法学者が雪だるまは反イスラムとの宗教見解(ファトワ)を出し、物議を呼んでいる。

 

イスラム教よ言うと近年のイスラム過激派による暴挙によって、誤解を受けている。

今回は興味深いイスラム教の文化を紹介したいと思う。

スポンサードリンク

日本人には理解しがたい、独特の宗教概念を持つイスラム教。

 

イスラム教は自ら厳しい戒律を守る敬虔な信者が多いと思う。しかし、イスラム教の解釈を一方的な解釈によって、平和を脅かす集団もいる。よって、イスラム教、イスラム社会に対して不鮮明なところがあるのも確かだ。

日本にはない邪視

イスラム教圏には「邪視」という迷信がある。

Amulets against the evil eye
Amulets against the evil eye / mark muehlhaeusler

不勉強な管理人は日本にそのような考えがあるとは知らないが、この邪視という考えは日本を始めとする東南アジアよりも西アジアからヨーロッパにかけて根付いているようだ。特に現代でもアラブ諸国で一般的といわれている。

 

邪視とはevil eye。世界の広範囲に分布する民間伝承の一つと言われ、他人に妬みをこもった目で見ると、人をはじめ家畜でも不幸にすると言われ、しばしば、邪視は魔女が持つとされ、邪視の視線は多様な呪いを犠牲者にもたらすと言われている。

 

邪視はイスラム教徒だけのものではない。

Hamsa
Hamsa / Colleen ~ Glasstyles

トルコやエジプトを旅行した方なら、見たことがあるかもしれないが、目をモチーフとしたアミュレット(お守り)を見なかっただろうか?アミュレットは国によって多種多様な種類がある。

 

この邪視という考えはイスラム教社会だけではなく、中東や南ヨーロッパのユダヤ教社会にも見られ、ヨーロッパでは地中海沿岸に信じている人が多いという。この邪視の風習の起源はかなり古く、民間ではイスラム化以前の5000年前からあると言う。

 

最も古い邪視のアシュミットと言われているのは紀元前3世紀ごろのシュメール時代のもの。シュメール王家の墓からメノウの「目」が発見された。

 

イスラム社会の邪視避けのお守り

IMG_6656
IMG_6656 / beggs

地域性の高い民間信仰のように思える邪視だが、イスラム教の聖典・コーランに邪視に対して触れている。と言うよりも、邪視の元である、嫉妬する者に対して記述していると言ったほうが正しい。よって、イスラム教圏には馴染みがあり、イスラム教のトルコでは目玉をモチーフにした、邪視の避けのナザール・ボンジュウがある。

 

これは青いガラスに中心から青色・水色・白色で目玉描かれる。ハンムラビ法典「目には目で、歯には歯で」の記述から推測されるように、邪視には邪視でと言う考えの元、ガラスに書かれた目が邪視を跳ね返すとされ、ガラス製のナザール・ボンジュウが割れると、邪視から身を守ってくれたと言われている。

 

中東ではハムサと呼ばれるアミュレットや護符がある。イスラム社会ではファーティマの手もしくは目と呼ばれ、ユダヤ教社会ではミリアムの目と言われている。ファーティマとはイスラム教の開祖ムハンマドの4女。イスラム教圏ではよく女の子の名前に付けられる。これらからわかるように、彼女はイスラム教では理想の女性と称賛されている。

 

彼女は貧しき人にも優しく手を差し伸べていたので、邪視のアミュレットが彼女の手が象徴的に使われるようになったと言われている。因みにミリアムはモーゼとアロンの姉であり、女予言者。

 

邪視は青い目

The Evil Eye
The Evil Eye / ky_olsen

ハンムラビ法典の同害形の考えのもと、「邪視には邪視で」という魔よけ方法を取っているが、ならば邪視は青い目と言うことになる。

 

なぜ、邪視のアミュレットが青いのかはよくわかっておらず、邪視の民間信仰の強い地域は黒い目の人種で、「青い目=外国人」っということから、馴染みのない外国人に対して警戒していたことが有力だとされている。

 

この邪視は近代教育を受けたアラブ系の人も信じているらしく、アラブ世界の衣装や女性が身に付けるアクセサリーの多くは邪視対策。

イスラム教と邪視

Evil Eye
Evil Eye / elainne_dickinson

イスラム教国家のトルコは邪視の信仰が根付いており、赤ちゃんが生まれると産着や枕等に邪視避けのナザール・ボンジュウがつけられ、家を購入した会社を設立したと言ったときも玄関にナザール・ボンジュウが飾られる。

 

邪視は妬みをもった眼差し。よって、トルコでは人をほめるとき邪視から守ってもらえるように、ナザールが触れませんようにと唱える習慣がある。かわいい赤ちゃんも嫉妬の対象にならないように醜い醜いと褒めるそうだ。因みにナザールとは邪視のこと。

 

イスラム教には今回のニュースにもなった偶像崇拝を否定している。これは唯一神は像で表すことが出来ない。それ故に冒涜であるという教義によるが、イスラム教が出来る前から邪視の信仰があったため、聖像や偶像の目は邪視がもたらすと考えるようになった。

 

よって、偶像破壊の際は目の周辺を破壊することが多かったという。

 

視線といえば、日本では歌舞伎にニラミというものがある。市川団十郎家の役者は、祝賀として「ニラミ」を行なう。厄落としで有名だが、邪視と同様に日本人も厄という恐ろしい存在を、恐ろしい視線によって対抗していたのかなと思ってしまう。

 

参考元
ロイター 雪だるまは反イスラム、サウジの学者が宗教見解
経理日誌@イ国の小さな村より
All About ガラスの目玉のトルコ土産、ナザールボンジュウ
wikipedia ハムサ

コメントを残す

このページの先頭へ